経営状況分析について

建設業の「経営事項審査」のうち「経営状況の分析」については、国土交通大臣が登録した経営状況分析機関が行っています。
国土交通省ホームページ 登録経営状況分析機関一覧
「総合評定値」を請求する建設業者は、経営状況分析結果通知書(原本)を添付して請求することが必要になるため、事前に経営状況分析の審査を受けていただくことになります。

1.経営状況分析申請の時期について

建設業許可事業者は毎事業年度終了の日から4ヶ月以内に許可行政庁に対し決算報告を行わなくてはなりません。(建設業法第11条の2)、その後の「経営規模等評価申請」及び「総合評定値請求」を行うために事前に「経営状況分析の審査」を受けておく必要があります。 経営事項審査の「経営規模等評価及び総合評定値結果通知書」の有効期間は1年7ヶ月と定められており、継続して経審を受ける場合には、「経営規模等評価申請」及び「総合評定値請求」の審査に1ヶ月程度を要することをふまえて準備をしていただく必要があります。

経審手続き(事業年度を12ヶ月で決算を行っている標準的な例)
  • 総合評定値の申請には、経営状況分析結果通知書が必要です。
  • 経営規模等評価及び総合評定値は、入札参加資格申請に必要です。
  • 決算日の変更や合併、分割、企業再生等の特別なケースでは、申請手続きの時期や必要書類が異なりますので、事前にご相談ください。経審の特殊事例について

北海道経営情報センターでは1年を通じて、経営状況分析の申請を受け付けています。

2.経営状況分析の申請書類の入手方法

経営状況分析申請書及び提出書類の様式の入手は、 ダウンロード から必要な書類様式をダウンロードしてご利用いただけます。

決算報告書(変更届出書)、経営規模等評価申請書の用紙については、各都道府県のホームページ等から入手してください。 経営状況分析にご提出いただく財務諸表は、あらためて作成するのではなく決算報告書(変更届出書)に付された財務諸表の写しで結構です。

  • 当社からの案内書及び様式テンプレート、必要書類の送付についてはすべて無料です。
  • 当社ウェブサイトに掲載している以外の計算書類等の法定様式についてご希望のお客様は別途お問い合わせください。

経営状況分析申請に必要な書類については 申請に必要な書類 をご覧ください。

3.経営状況分析の審査のながれ

建設業許可事業者は毎事業年度終了後に決算報告(変更届出書*の提出)を行います。経営事項審査を受ける場合は、決算報告の際に作成した財務諸表に必要書類を添えて経営状況分析の申請をしてください。
(*「変更届出書」は、各都道府県により「決算変更届」、「営業年度終了報告」等の名称があります。)

  1. 分析手数料のお支払い。
  2. 申請書類の郵送(郵送方法の指定、封筒の指定はありません)、電子申請によるファイル送信または直接当社窓口で受付いたします。
  3. 北海道経営情報センターでは到着した書類の確認作業を行い、受付を完了した場合にはFAX等で申請受理の旨通知いたします。
    財務諸表等の数値を国土交通省が定めた基準に基づいてシステムによりチェックおよび分析結果を算定します。
    審査の状況により「追加資料の依頼」、「電話による聴き取り」等の確認をさせていただく場合があります。また、審査の状況により財務諸表等の補正をお願いする場合があります。
    追加資料、財務諸表等の補正にかかるやり取りは、FAX、メール等で行うことができます。
  4. 審査完了後、経営状況分析結果通知書(原本)及び(控え)各1通を送付いたします。または、直接当社窓口で受け取ることもできます。
  • 当社の分析手数料は13,500円(税込)です。(詳しくは 分析手数料についてをご覧下さい。)
  • 当社の審査にかかる日数は、おおむね2日程度です。(審査の状況により日数がかかる場合があります)
  • 当社の手続き等の事前の相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

4.経営状況分析申請書の記入例

経営状況分析申請書(様式第25号の8)は、経営状況分析を申請する日現在の内容(建設業許可、会社名、所在地、代表者名等)を記入してください。 ただし、「当期減価償却実施額」及び「前期減価償却実施額」については各審査基準日現在で記入してください。
詳しくは 経営状況分析申請書の記載要領(PDF)をご覧ください。

経営状況分析申請書の記入例
  1. 「申請者」の欄は、申請者の記名をお願いします。代理人による申請の場合は代理人の氏名を併記してください。行政書士による代理人申請においても代理人の押印は不要といたします。
  2. 「申請年月日」は登録経営状況分析機関に申請書を提出する年月日を記入。「申請時の許可番号」の欄の「国土交通大臣、知事」「般、特」は不要のものを消す。 「許可番号」「許可年月日」は2以上の建設業許可を受けている場合で許可を受けた年月日が複数あるときは、そのうち最も古いものについて記入してください。
  3. 各「審査対象事業年度」、「処理の区分①」「処理の区分②」については下記の表の例により記入し、該当するコードを記入してください。
  4. 「単独決算又は連結決算の別」は、申請者が会社法(平成17年法律第86号)第2条第6号の規定に基づく大会社であり、かつ、 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第24条の規定に基づき、有価証券報告書を提出しなければならない場合は「2」をそうでない場合は「1」を記入してください。
  5. 「主たる営業所の所在地」の欄は、「丁目」、「番」「号」の街区符号及び住居番号等については「‐」(ハイフン)を用いて記入してください。
  6. 「当期減価償却実施額」、「前期減価償却実施額」は、「単独決算又は連結決算の別」欄において「2」と記入した場合は記入の必要はありません。 前回当社に申請を行っている方で、前回の「減価償却実施額」の欄に変更がない場合は「前期減価償却実施額」欄の記入を省略することができます。記載する金額は千円未満の端数を切捨で記載します。
  7. 審査に際して、提出書類の内容等に関して当社からご連絡させていただく場合があります。手続きに関するご担当者さまは「連絡先」欄の記入を忘れずにお願いいたします。

経営状況分析申請書に記載する処理の区分①

コード処理の種類
0012か月ごとに決算を完結した場合
(例)平成15年4月1日から平成16年3月31日までの事業年度について申請する場合
  自平成15年4月1日 ~ 至平成16年3月31日
016か月ごとに決算を完結した場合
(例)平成15年10月1日から平成16年3月31日までの事業年度について申請する場合
自平成15年4月1日 ~ 至平成16年3月31日
02商業登記法(昭和38年法律第125号)の規定に基づく組織変更の登記後最初の事業年度その他12か月に満たない期間で終了した事業年度について申請する場合
(例1)合名会社から株式会社への組織変更に伴い平成15年10月1日に当該組織変更の登記を行った場合で平成16年3月31日に終了した事業年度について申請するとき
  自平成15年4月1日 ~ 至平成16年3月31日
(例2)申請に係る事業年度の直前の事業年度が平成15年3月31日に終了した場合で事業年度の変更により平成19年12月31日に終了した事業年度について申請するとき
 自平成15年1月1日 ~ 至平成15年12月31日
03事業を承継しない会社の設立後最初の事業年度について申請する場合
(例)平成15年10月1日に会社を新たに設立した場合で平成16年3月31日に終了した最初の事業年度について申請するとき
  自平成15年10月1日 ~ 至平成16年3月31日
04事業を承継しない会社の設立後最初の事業年度の終了の日より前の日に申請する場合
(例)平成15年10月1日に会社を新たに設立した場合で最初の事業年度の終了の日(平成16年3月31日)より前の日(平成15年11月1日)に申請するとき
  自平成15年10月1日 ~ 至平成15年10月1日

処理の区分②

コード処理の種類
10申請者について会社の合併が行われた場合で合併後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき
11申請者について会社の合併が行われた場合で合併期日又は合併登記の日を審査基準日として申請するとき
12申請者について建設業に係る事業の譲渡が行われた場合で譲渡後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき
13申請者について建設業に係る事業の譲渡が行われた場合で譲受人である法人の設立登記日又は事業の譲渡により新たな経営実態が備わったと認められる日を審査基準日として申請するとき
14申請者について会社更生手続開始の申立て、民事再生手続開始の申立て又は特定調停手続開始の申立てが行われた場合で会社更生手続開始決定日、会社更生計画認可日、会社更生手続開始決定日から会社更生計画認可日までの間に決算日が到来した場合の当該決算日、民事再生手続開始決定日、民事再生手続開始決定日から民事再生計画認可日までの間に決算日が到来した場合の当該決算日又は特定調停手続開始申立日から調停条項受諾日までの間に決算日が到来した場合の当該決算日を審査基準日として申請するとき
15申請者が、国土交通大臣の定めるところにより、外国建設業者の属する企業集団に属するものとして認定を受けて申請する場合
16申請者が、国土交通大臣の定めるところにより、その属する企業集団を構成する建設業者の相互の機能分担が相当程度なされているものとして認定を受けて申請する場合
17申請者が、国土交通大臣の定めるところにより、建設業者である子会社の発行済株式の全てを保有する親会社と当該子会社からなる企業集団に属するものとして認定を受けて申請する場合
18申請者について会社分割が行われた場合で分割後最初の事業年度の終了の日を審査基準日として申請するとき
19申請者について会社分割が行われた場合で分割期日又は分割登記の日を審査基準日として申請するとき
20申請者について事業を承継しない会社の設立後最初の事業年度の終了の日より前の日に申請する場合
21申請者が、国土交通大臣の定めるところにより、一定の企業集団に属する建設業者(連結子会社)として認定を受けて申請する場合

5.経営状況分析の各指標

評価項目の8指標により経営状況点数(Y)を算出します。
点数分布の適正化、絶対額による指標の採用とともに各々の指標に応じて上下限を設定することによりペーパーカンパニーの過大評価の排除、 会計基準による差異が評点に与える影響を極小化するように考慮されています。

経営状況分析の8指標

 記号指標 (Y点への寄与度)算出式上限値下限値
(負債抵抗力指標)
1X1純支払利息比率 (29.9%)(支払利息-受取利息配当金)/売上高×1005.1-0.3
2X2負債回転期間 (11.4%)(流動負債+固定負債)/(売上高/12)18.00.9
(収益性・効率性指標)
3X3総資本売上総利益率 (21.4%)売上総利益/総資本(2期平均)×100
総資本の2期平均が3000万円未満であれば3000万円として計算
63.66.5
4X4売上高経常利益率 (5.7%)経常利益/売上高×100
個人の場合は経常利益は事業主利益と読み替える
5.1-8.5
(財務健全性指標)
5X5自己資本対固定資産比率 (6.8%)自己資本/固定資産×100
自己資本は純資産合計
連結決算の場合:自己資本=純資産合計-少数株主持分
350.0-76.5
6X6自己資本比率 (14.6%)自己資本/総資本×10068.5-68.6
(絶対的力量指標)
7X7*営業キャッシュ・フロー (5.7%)(営業キャッシュ・フロー/100000)(2期平均)15.0-10.0
8X8利益剰余金 (4.4%)利益剰余金/100000
個人の場合は純資産合計の額を用いる
100.0-3.0
*(単独決算における営業キャッシュ・フロー)

営業キャッシュ・フロー=経常利益+減価償却費±引当金増減額-法人税住民税及び事業税±売掛債権増減額±仕入債務増減額±棚卸資産増減額±未成工事受入金増減額

売掛債権=受取手形+完成工事未収入金
仕入債務=支払手形+工事未払金
棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品

営業キャッシュフローの加減の考え方
(+)
増加分はキャッシュイン
貸倒引当金(長期含む・正の数値で計算)
仕入債務
未成工事受入金
(-)
増加分はキャッシュアウト
売掛債権
棚卸資産
*(連結決算における営業キャッシュ・フロー)

連結決算では、連結キャッシュ・フロー計算書における「営業キャッシュ・フロー」の額を用います。

6.経営状況の評点(Y)の計算式

経営状況分析の8指標の各点数を次の計算式から算出します

経営状況点数(A)-0.4650×(X1)0.0508×(X2)0.0264×(X3)0.0277×(X4)0.0011×(X5)0.0089×(X6)0.0818×(X7)0.0172×(X8)0.1906
(小数点以下2位未満の端数があるときはこれを四捨五入する。)

経営状況の評点(Y)167.3×(A)583 (小数点以下の端数があるときはこれを四捨五入する。)

7.経営状況分析業務委託約款

北海道経営情報センターへの経営状況分析申請の際には、下記の経営状況分析業務委託約款をご承諾の上申請してください。

申請書類等のダウンロード

ダウンロード より経営状況分析申請書、財務諸表様式等をご利用いただけます

申請受付時間

月曜日~金曜日(土曜、日曜、祝日を除くほか当社が定める日を除き)
午前9時から午後5時まで
経営状況分析の申請は、郵送によるほか、窓口にて直接受け付けています

電子申請サービス

インターネットを利用して経営状況分析の申請が行えます。
経営状況分析 電子申請サービス